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【賃貸オーナー必見】やってはいけない空室対策とは?有効な対策やアイデアを解説
【賃貸オーナー必見】やってはいけない空室対策とは?有効な対策やアイデアを解説
賃貸オーナーにとって一番のリスクとなるのが空室です。空室期間を少しでも早く埋めるために、さまざまな対策やアイデアがありますが、間違った対策をとってしまうと、かえって入居率が悪化してしまうおそれがあります。
今回はやってはいけない空室対策、有効な空室対策について紹介します。
賃貸オーナーが知っておくべき間違った空室対策
現在は開発や築古物件の建て替え、相続税対策などの流れで賃貸マンション・賃貸アパートが増え続け、賃貸住宅の供給は増加し続けています。
その反面で、日本の人口は減少の一途を辿っているため、需要は減っています。東京都内の人口は微増、または現状維持という地域も存在しますが、大阪府は、2010年をピークに減少傾向にあり、2015年以降は急激に減少しています。
需要と供給のバランスは崩れてきているため、空室率は今後も増加することが見込まれます。
その中で、賃貸オーナーの中には、「どうにかして空室を減らさなければ」と悩み、さまざまな対策に取り組んでいる方も多く見られますが、残念ながら、せっかく実施した対策がうまくいかず、空室が埋まらなかったり、すぐに退去されてしまったりと、思うような成果が得られないケースも存在します。
やってはいけない空室対策
賃貸経営を行う上で、空室はできるだけ避けたいものですが、不適切な対策を選ぶと、かえって経営が圧迫されることになります。費用対効果をしっかりと見極めたうえで空室対策を行わなければ、キャッシュフローが悪化する原因となってしまいます。
ここでは、やってはいけない空室対策例3つを解説していきます。
必要以上の家賃値下げ
家賃を安易に下げると、一時的に空室が埋まったとしても、最終的には経営を圧迫する結果となります。家賃を下げることは手軽に実行できる空室対策ですが、できる限り避けるべき手段です。その理由は次の通りです。
- 家賃を下げることで満室になっても、全体の賃貸収入は減少します。一度下げた家賃は簡単には元に戻せません。
- 家賃の引き下げが周辺の物件にも影響を及ぼし、地域全体の家賃相場の下落を引き起こす可能性があります。これが価格競争を生み出し、さらに値下げを強いられる状況を招く恐れがあります。
- 家賃を下げることで、入居者の質が低下するリスクがあります。
改善せずに入居条件を安易に緩和すること
入居条件を緩和することで、今までとは異なる層の入居希望者も期待でき、空室対策として効果的です。しかし、適切な準備や対策をせずに条件を緩和すると、かえって悪影響を及ぼす可能性があります。
ここでは、以下の2つのケースについて検討してみましょう。
1. ペット飼育を許可する場合
近年、ペット可の物件は増えていますが、依然として少数派であるため、条件を変更すれば空室対策として有効です。しかし、ペット飼育により以下のようなリスクが考えられます。
・ペットの匂いが室内に残り、退去後の清掃費用が増加する
ペットの鳴き声による近隣住民からの苦情
大型や危険性のあるペットが他の入居者に不安を与える
ペット可にする場合、入居者には原状回復義務を確認させることや、ペット飼育に関する規約の明確化が重要です。また、オーナー側もニオイがつきにくい床材や壁紙への変更、ペット専用の足洗い場を設置するなどの準備が求められます。
2. 外国籍の方を受け入れる場合
外国籍の方を受け入れる際の最大の懸念は、家賃未納のまま帰国され、回収が困難になるリスクです。さらに、言葉や文化の違いから生じるトラブルも懸念されます。そのため、以下の対策が必要です。
家賃保証会社と契約する
日本での勤務先や就学先、勤務年数、日本での居住期間、日本語能力などを確認する
また、外国籍の入居者対応に慣れた管理会社に依頼することで、より安心して受け入れられるでしょう。
需要に合致しないリフォーム・リノベーション
リフォーム・リノベーション工事には多額の費用がかかるため、費用対効果が低い工事は避けるべきです。以下のようなリフォーム・リノベーションは、効果が薄い可能性があるため注意が必要です。
・デザインにこだわりすぎて生活動線が無視され、住みづらい空間になっている
・コストを抑えるあまり、仕上がりが中途半端で魅力に欠ける
・工事費が高くなりすぎ、収益が圧迫される
例えば、若い女性に人気の独立洗面台を設置したことで費用がかさみ、部屋が狭くなってしまったり、トイレ・バスを分ける工事で大幅な費用がかかり、部屋が手狭になってしまうケースがあります。また、トイレとバスを分離する際には防水や補修工事が伴い、100万円以上の費用がかかる可能性もあります。たとえ家賃が5,000円上がったとしても、リフォーム費用が100万円の場合、回収までに17年近くかかってしまう計算です。
空室を埋めるだけを目的とした過度な対策は長期的にみるとデメリットも発生してしまいます。
既存入居者への配慮も考えた、空室対策を検討していく必要があります。
有効な空室対策・アイデア
家賃の減額やリフォーム・リノベーション工事に多額の費用をかけると、家賃収入が減少したり、費用回収までに長い期間が必要になる可能性があります。投資物件であればできるだけ安定した収益を確保したいところです。
賃貸オーナー様に負担が少ない空室対策として次のようなものがあげられます。
管理費や駐車場代を「家賃込み」にする
入居者には毎月の支払いがわかりやすくなり、トータルの費用が割安に見える効果が期待できます。
しかし、見かけ上の家賃が上がるため、他の物件と比較された場合に割高に見える可能性があります。
家賃込みにすることで利便性が高まる一方で、賃貸管理が複雑化する可能性もあるため、物件の特性や管理体制に合わせて慎重に検討することが大切です。
クレジットカード払いを導入する
入居者にとって支払いが便利になり、ポイントが貯まるなどの利点もあり、魅力的に感じるでしょう。
決済手数料や、システム導入費用、維持費にコストがかかってしまいますが、クレジットカード払いの方が、管理がスムーズ且つ、支払い履歴がデジタルで記録されるため、手続きの簡略化も期待できます。
フリーレント期間を設ける
初月や最初の数ヶ月の家賃を無料にすることで、契約時の負担を軽減し、入居のハードルを下げることができます。
入居希望者にとっては引越しの初期費用は大きな負担になるため、数カ月でも賃料がタダになるのは大きなアピールとなります。また賃貸オーナー様からすると、敷金等を減額・廃止するよりも負担が少なくなります。
これらの対策は大きなコストをかけずに実施できるため、空室対策ととして取り入れやすく、改善が見られない場合でも損失を抑えることができます。
また、家賃に関する対応は入居者にとっても魅力的な条件となるため、空室対策として有効です。
空室対策を行う上で適切なバランスを保つためのポイント
エリアの相場やニーズの把握
物件のあるエリアの家賃相場や入居者のニーズに合った対策を検討します。例えば、単身者向けエリアで高級ファミリー向けリノベーションをしても、効果が薄い場合があります。
投資対効果の検証
予算を事前に立て、それぞれの対策の費用対効果を考慮し、過剰な投資にならないよう管理することが重要です。小規模な改修や清掃など、まずは費用を抑えられる対策から始めるのもおすすめです。
空室対策の優先順位をつける
空室対策のすべてを一度に行うのではなく、優先順位をつけて実施します。例えば、まずは清掃や写真の改善、次に賃料調整などの手順で行うと効果が測りやすくなります。
集合住宅では既存の入居者にも配慮を
マンションなど既存の入居者がいる場合、空室対策を行う際には、その反応を予測することが重要です。誤った空室対策を実施することで、既存の入居者が退去する事態を避ける必要があります。
例えば、ペットを飼えない物件を選んで入居した方もいるため、ペット飼育を許可することで不満を招く可能性があります。また、家賃を値下げすると、既存の入居者がその情報を知った際に、更新時に自分たちの家賃も下げるよう要求する恐れがあります。
もし既存の入居者が多く退去してしまうと、せっかくの空室対策も収益を圧迫する結果につながってしまうため、十分な配慮が必要です。
まとめ
やってはいけない空室対策、有効な空室対策について紹介しました。
費用や、長期的な収支を考えたうえで、どのような手順で進め、対策をとっていくか慎重に判断をしていくことが大切です。
物件の改善だけではなく、管理会社の募集も重要となります。空室対策をするうえで、
管理会社と連携を取りながら、物件にあった対策を行い、賃貸マンション運営を行っていく必要があります。
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