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事故物件の告知義務

事故物件の告知義務

事故物件とは

不動産取引や賃貸借契約の対象となる土地・建物や、アパート・マンションなどのうち、その物件の本体部分、共用部分のいずれかにおいて、何らかの原因で前居住者が死亡した経歴のあるものをいいます。

亡くなる原因は『殺人』『自殺』『自然死』の3種類に大別されます。

例えば、凄惨な殺人事件に巻き込まれて亡くなったとなれば、当面の間は間違いなく事故物件扱いになります。かたや家族で暮らしていて、おばあちゃんが急に具合が悪くなって突然死してしまい、すぐに発見された場合、家族の一員が寿命で亡くなるのは普通のことなので、事故物件と認定しないこともあります。

このように、死亡原因によって事故物件と呼ばないものもあるなど、判断基準は明確に定まっておりません。

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宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン

以前、原状回復ガイドラインについてご紹介しましたが、人の死の告知に関するガイドラインも国土交通省から策定されています。

告知義務について

告知義務とは、対象物件が、事故物件を始め、何らかの瑕疵がある物件である場合に、借主・貸主に対して、貸主・売主が取引に際しその事実を伝えなければならないとする義務の事をいいます。

告知の必要有無

原則、宅地建物取引業者は、人の死に関する事案が、取引の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合には、これを告げなければならないと定めています。

告知の対象となること

・自殺や他殺があったこと

・重大な火災や災害が発生した事

・その他、居住者に心理的影響を与える可能性のある出来事

告げなくてもよい場合

  • 対象不動産で発生した、自然死、日常生活の中での不慮の死(転倒事故、誤嚥など)
  • 対象不動産・日常生活において通常使用する必要がある集合住宅の共用部分で

発生した①以外の死・特殊清掃等が行われた①の死が発生し、事案発生(特殊清掃等が行われた場合は発覚)から概ね3年間が経過した後

  • 対象不動産の隣接住戸・日常生活において通常使用しない集合住宅の共用部分で発生した①以外の死・特殊清掃等が行われた①の死 ※事案発覚からの経過期間の定めなし

②、③の場合でも、事件性、周知性、社会に与えた影響等が特に高い事案は告げる必要があります。

・告げなくてもよいとした①~③以外の場合は、取引の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合は、告げる必要があります。

明確な線引きがむずかしい所ではありますが、調査、判断を誤り告知漏れが発覚となると、大きなトラブルになり兼ねません。

告知事項を怠ってしまうと・・

買主・借主から多額の損害賠償金を請求されてしまいます。

具体的な影響

契約解除: 購入者や賃借人が告知義務違反を理由に契約を解除することができます。

損害賠償: 購入者や賃借人が後になってその事実を知り、精神的苦痛を受けた場合、損害賠償を請求することができます。

行政罰 : 不動産業者が告知義務を怠った場合、行政から罰金や業務停止命令を受ける可能性があります。

賃貸物件であれば告知義務は原則3年ですが、問い合わせがあった場合は3年が経過していても伝える必要があります。売却の場合は何年たっていても告知義務は残り続けます。

適切な告知をするための対策

告知漏れ等によるトラブルを防ぐため、以下の対策が有効となります。

詳細な調査 

物件の状態や過去の履歴を詳細に調査し、問題がないか確認する。

専門家の活用

法律や建築に関する専門家の意見を取り入れ、告知事項を正確に把握する。

透明性の確保

取引においてはできるだけ透明性を確保し、買主や賃借人に対して正確な情報を提供する。

また、借主、買主からも調査をすることにより、契約トラブルを未然に防ぐことも大切です。

契約を進める不動産会社への聞き取りのほかに、事故物件掲載サイトも複数あり、ご自身(借主・買主)でも調べることができます。

調査ポイント

・家賃を周辺相場と比較する

 周辺の家賃相場を物件検索サイトで比較したときに、明らかに家賃が安い場合は何らかの理由がある事故物件である可能性が高くなります。

・リフォーム履歴を見てみる

 人が亡くなって時間が経ったお部屋となると、床がきしんだり悪くなりやすいので、

リフォームされていることも多くあります。

・建物名の名称変更履歴を見てみる

 ニュースに出るレベルの事件があった際に、印象を変えるため建物名を変更することがあります。

キャンペーンで家賃が安くなっている、築年数経過によるリニューアルの為のリフォーム等も考えられますので、一概には言えませんが、貸主(売主)・借主(買主)双方による調査を行うことで、告知義務違反によるトラブルを防ぐことにつながります。

まとめ

事故物件について、告知の必要有無があいまいな表現もありますが、貸主(売主)から借主(買主)にたいして、正確な物件情報を伝えることが必要となります。

契約後に発覚すると、契約解除等のトラブルに発展してしまいますので取り扱いには十分な注意を払い告知漏れを起こさないように調査等をしっかりするようにしましょう。

また、借主側も安すぎる物件、ずっと空室の物件等アンテナを張るポイントを抑え、物件について知ることもトラブル回避となります。

以上事故物件の告知義務について取り上げましたがいかかでしょうか。

引き続き不動産に関する様々な知識を投稿してまいります。

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