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賃貸トラブルや修理の対応が遅い時のリスクと対応策について

賃貸トラブルや修理の対応が遅い時のリスクと対応策について

今回のテーマは賃貸マンションのトラブルや、修理の対応が遅くなった場合のリスクと対応策についてです。

賃貸マンション等では、「エアコンから冷風が出ない」「お湯が出ない」「漏水している」「トイレが流れない」「上の人の足音がうるさい」等様々なトラブルが発生します。

賃貸マンション等でトラブルが発生した際、

・連絡が繋がらない

・電話で「折り返します」と言われたまま折り返しがない

・「業者から連絡させます」と言われたのに連絡が来ない

・明日と明後日は定休日なので連休明けに対応しますと悠長なことを言われた

などは、トラブルが炎上するきっかけとなります。

対応が遅くなればなるほど、入居者様の怒りが増してしまい、さまざまな問題が発生します。

こういった遅い対応になってしまった場合のリスクと対応策について解説していきます。

対応が遅いことによるリスク

怒りが募り、冷静な話し合いができなくなる。

深夜から早朝にかけてであればまだ入居者様にご理解いただけ、揉めることは少なくなりますが、

・営業時間中に電話が繋がらない

・連休中に連絡手段や対応手段が全くない

・電話で「折り返します」と言われたまま折り返しがない

といった状態が発生すると、その時間の分だけ怒りが募っていき、中には怒鳴る人もいます。

そうすると、「今すぐ対応しろ」「明日じゃ遅い、今日中に何とかしろ」と、こちら側の話を一切聞いてくれなくなり、冷静な話し合いができなくなります。

それでは些細な設備トラブルも解決が出来なくなってしまいます。入居者様が「連絡」という行動を取った際に、なるべく早くその状況をヒアリングし、対応についてどのように進めめていくのか、どのくらい時間がかかるか等を伝えることができる体制を整える必要があります。

賃料滞納や賃料減額交渉などが発生する

対応が遅くストレスが溜まってしまうと、対応が遅いことを理由に、賃料滞納が発生するケースがあります。

もちろん、法律上は対応が遅いからといって賃料を滞納しても良いという正当な理由にはなりませんが、感情と理性は別物となりますし、威圧的な言い方をされることもあると、

本来のトラブル以外のトラブルにつながることも想定されます。

また、給湯器やエアコンといった設備のトラブルでは、設備が使用できなくなった期間に対する賃料減額の交渉をされることがあります。

これは2020年4月1日に施行された民法の大改正により、賃料減額交渉には応じなければいけません。

賃料減額交渉の例

状況賃料減額割合免責日数
電気が使えない40%2日
ガスが使えない10%3日
水が使えない30%2日
トイレが使えない20%1日
風呂が使えない10%3日
エアコンが作動しない5000円(1か月あたり)3日
テレビ等通信設備が使えない10%3日
雨漏りによる利用制限5%~50%7日

※公益財団法人日本賃貸住宅管理協会 貸室・設備等の不具合による賃料減額のガイドラインより抜粋

この賃料減額ガイドラインによると減額分は多くありませんが、それに加え賃料の減額交渉を受ける心理的なストレス、減額による事務手続き負担の方が大きくなりますので、管理会社(家主)としてはなるべく避けたいものです。

経済的損失の発生

クレームが放置されたままになっていると、設備関係であれば修理や交換、更に入居者に対しての上記のような補償など、最終的には解決するためのコストが増えてしまう傾向があります。

設備不良が起こった場合、その程度を維持するためにはその設備の利用停止が望まれますが、入居中のお部屋が多い場合利用停止は現実的ではなくなってきます。

不良が起こっている中で、利用し続けることにより、不具合の悪化を招き、さらにコストがかかることが予想されます。

入居者の退去につながり空室が生まれる

入居者様が不満を抱えている状況が長引くと、本来使えるはずのものが使えず、快適に住めなくなったことを原因に退去する可能性が高くなります。

また、入居者様からのクレームが多い物件は、次の入居者を見つけることが難しくなり、空室期間が長くなる可能性もあります。

信頼関係の破壊

クレームが解決されない場合、入居者様やオーナー様からの不動産管理会社への信頼を失う可能性があります。信頼を失ってしまうと、管理会社変更をされかねません。

また、そのような物件を紹介する不動産仲介業者からは、物件の信頼性が低いと判断され、今後の取引に大きな影響が出ることが予測されます。

想定されるリスクについていくつかあげました。上記以外にも対応の中で、トラブルの悪化につながるきっかけはいつ起こるかわかりません。そのほかにも更新手続きをしてくれなくなったりと、さまざまな賃貸トラブルの要因となってしまいます。

反対に、早い対応を行うことで、入居者との人間関係も良好になるため、その他のトラブルがあっても非常に協力的になってくれ、円滑に解決できるようになり、揉めることもほとんど無くなります。

さらには入居満足度も向上し、居住年数が延びたり、空室が出ると知人を紹介してくれたり、空室対策にもつながります。

さまざまなリスクを想定したとき、クレーム、トラブルを後回しにせず、迅速な対応をすることが求められます。

スピード対応、クレーム・トラブル拡大を防ぐ具体的な方法

できるだけ早く現場に行く

管理戸数やアポイントの状況、物件までの距離にもよるかもしれませんが、出来るだけ早く現場に行くことはとても重要です。

これは、自分が行って直せるかどうかよりも状況を確認し、直せるものは直して、直せないものはなぜ直せないかを説明して、今後の流れを説明することで、入居者様に安心してもらう必要があります。

それ以降は進捗管理をしっかり行うことで、トラブルが炎上しないよう対応していきます。

また、「キッチンが壊れてる!」「エアコンが付かない!」と連絡があり、訪問してみるとただの電池切れだったため、電池交換だけで直ったといったケースは多々あります。

その他にもパッキン交換や簡単なリモコン操作で直るといった、簡単な対応で直ってしまうケースは多いです。いきなり工事業者を手配すると数千円から数万円の余計な出費となる可能性もあります。それらの費用負担については、基本的には家主です。

すぐに現場に行くことができない場合については正確な状況を把握するためのヒアリング、

また、業者手配前に電池交換等、ご入居者様自身で対応できる可能性があることを試してもらうことも早期解決に繋がります。

連絡もしない、業者も手配しないといった、“何もしてくれない”と思わせない初期対応が必須となります。

いつでもつながる連絡先を入居者様と共有する

賃貸物件では、定休日は給湯器が壊れない、年末年始は漏水が起きないということはないため、いつトラブルが発生しても何らかの対応ができるよう準備しておくことが重要となります。

かといって管理担当者の携帯番号や、メールアドレスを共有してしまうのは心理的なハードルも高く、現実的ではありません。

せめて、会社のお問い合わせメールフォームの作成、24時間365日電話受付をしてくれるサービス等を導入することも一考です。

こういったサービスには月額費用が掛かってしまうため、負担者を誰にするかは検討の余地があります。

LCマネジメントでは下記サービスを導入しています。

 ※アクセス24

 設備故障をはじめとして、ご入居者の要望まで24時間365日対応のコールセンターです。災害時など、電話が繋がりにくい状況でも相談フォームよりメールでのご連絡も可能です。

アクセス24ではお電話で内容を聞き取りの上、入居者様ご自身で解決できる事案については、細かなアドバイスをおこない、ご協力を促し、業者手配が必要な事案については、業者への手配代行も対応しています。

予測ができない事態に備えることで、トラブルの悪化を防ぎ、迅速な対応をすることに繋がります。

またコールセンターよりLCマネジメントに入電内容、対応経緯の共有がされますので、応急処置後の対応が必要な場合でも状況の把握ができている為、業者手配、お客様対応をスムーズに行えます。

また、お客様自身がご加入いただける下記24時間対応サービスの取り扱いもございます。

※ホームアシスト24

入居者様(ご契約者様)の日常生活において起こりうる「カギをなくした」、「トイレがつまった」、「ガラスが割れてしまった」等の様々なトラブルや暮らしのお悩みをサポートする24時間体制の生活見守りサービスです。

外国人のお客さまにも安心の、三者通話による外国語(11か国)での対応も可能です。

ホームアシスト24は生活見守りサービスとなり、設備関係以外にも下記サービスも含まれております。

パソコンのサポート:ネットに接続できない、ウイルスに感染したかもしれない等

在宅確認のサポート:家にいる家族の様子が気になる等

病気・健康に関するサポート:健康/医療/メンタル/介護にかかわるご相談、医療機関情報提供、健康管理全般のご相談等

ご家族や身の回りのお悩みに関するサポート:年金/税務/法律/相続に関するご相談等

管理物件が遠方にある場合は連絡を受け付けたタイミングで向かったとしても交通事情等も影響し、到着時刻が見込まれにくくなります。

そういった場合に、こういったサービスも活用することでよりスムーズな対応に繋がります。

対応の要否の判断

クレームの中には、賃貸管理会社と大家側で対応すべきものと、対応不要なものがあります。

【対応が必要なクレーム】

水・ガス・電気などのインフラや、備え付け設備の不具合/騒音/悪臭/管理規約やマナー違反 など

【対応が不要なクレーム】

入居者所有(残置物含む)の設備故障など

水・ガス・電気などのインフラや、備え付け設備の不具合に関するクレームは、入居者の生活に支障をきたすため、賃貸管理側が即時対応する必要があります。

クレームを受けたらすぐに各インフラ会社に連絡・修理などの手配をし、場合によっては、復旧までの入居者の仮住まいを用意する必要も出てきます。

また騒音や悪臭、管理規約違反に関するクレームも、賃貸管理側が解決に向けて調整し、入居者の健全な暮らしを守らなければなりません。

しかし入居者所有の設備故障などは、賃貸管理側が対応する必要はありません。

例えば、物件に備え付けのエアコンが経年劣化で故障した場合は、賃貸管理側が修理や交換対応をします。

しかし入居者が自分で物件に取り付けたエアコンが故障した場合は、当然ながら、エアコンの所有者である入居者が修理や交換の手配をします。

入居者から寄せられるクレームやトラブルには様々な種類があるため、本当に管理会社(所有者)側で対応が必要かどうか見極める必要があります。

入居者様自身で対応が必要な場合はなるべく早く伝えなければならないので、見極めのスピード感も大切です。

公平な状況確認と対応

クレーム対応には、公平で客観的な状況確認が必要です。

例えば、音や臭いに関する不快度は人によって様々です。

管理する賃貸物件でクレームが寄せられた場合は、

・クレームを言った方・言われた方、双方の意見と状況を個別に確認する

・当事者同士が争うことのないよう、関係者が特定されないよう配慮する

ことが大切です。

「○号室の方から、あなたの部屋の騒音に苦情がきています」

といったストレートな言い方は、新たなトラブルの火種を生むため慎重に対応しましょう。

具体的な対応方法

・共用設備のルールやマナー違反クレームへの対応方法

エントランスの掲示板などやポスティングで、管理規約や共用部分のマナーにつ

いて入居者全体に改めて周知してもらう

 それでも改善しない場合、、、

 クレームが起きてる場所に対して防犯カメラを設置したり、該当の入居者に個別に注意して改善を求める

・悪臭クレームへの対応方法

 臭いに関するクレームは、騒音と同じく人によって感じ方が違う場合もあるので、慎重に状況を確認することが重要です。

タバコに関しては、賃貸物件の場合、管理規約でベランダでの喫煙を禁止していることも多いです。

またペットが原因の悪臭であれば、ペット飼育の管理規約にもとづいて、入居者に改善策を求めます。

クレームについて、人によって感じ方が違うことが多い内容がほとんどです。

入居前に規約等を利用して、ルールについて説明していても完全に防ぐことはできません。また、改善に協力的ではなかったり、該当の入居者様に伝わらない(自覚がない)ことも少なくありません。

改善がされないと退去を選択してしまう入居者様も出てくることも考えられますので、慎重かつ、スピード感をもった対応が求められます。

スムーズな対応を行うための対応策

進捗状況を確認する仕組みづくり

例えば、工事日の調整を行う際は、工事業者と入居者様が直接相談した方がスムーズです。

しかし、管理会社が工事業者に依頼したまま放置し、後日入居者から「電話が来ない!」と怒って連絡が来ることが想定されます。

そのような事態を避けるには、以下の3つに気を付けましょう。

①工事業者には工事日が決まったら連絡をもらうよう依頼する

②進捗確認の仕組みを作り、進捗状況を把握する

③入居者様には工事業者から「●日電話がなければ連絡をください」などと依頼する

LCマネジメントでは進捗を把握するためタスク管理アプリや、SNSで担当業社様とのトークルームを作成することで、担当者含め部署全体で進捗を把握できる仕組みを取り入れています。

入居者様から対応の遅れについて催促の連絡があった際、担当者以外でも把握していることで、臨機応変な対応、状況についてお伝えすることができる為、トラブルの悪化を防いでいます。ただでさえ連絡が来ていない中で、担当じゃないと分からない、とまたお待たせする状況を作ると、さらに怒りの感情を抱かせてしまいます。

初期対応のマニュアル、テンプレート活用

社内で設定したマニュアルに沿って対応するようにすれば、誰が対応しても初期対応を一定の水準以上に保つことが可能となります。イレギュラーな事態が発生した際の対応もマニュアル化しておけば、問題があったとしても対応することができ、入居者様へ安心感を与えることができます。

作成したマニュアルやテンプレートの内容は定期的な見直しが欠かせません。

担当者や工事業者の変更や、対応をしている中で改善点が生まれると次回の対応からそれを反映させてよりスムーズな対応をしていく必要があるからです。

まとめ

賃貸トラブルや修理の対応が遅い時のリスクと対応策についていかがだったでしょうか。

住んでいる部屋で設備不良が起こると入居者様は冷静でいることが難しくなることが考えられます。その中で管理会社側がどのような対応をしていくかが重要となります。

状況次第では、即日対応、即日改善ができないこともあるかと思いますので、さまざまな事案、状況に沿った対応策の事前準備が必要です。

日常利用のほかに災害による生活インフラへの影響については予測も難しくなります。

そうすると問い合わせが増えるだけではなく、業者手配も困難となる中、入居者様に少しでも安心していただくためのケア、案内等も必要となりより対応に時間を要します。

様々な事態に備え、管理体制の強化、定期的な設備点検等を行い、円滑な賃貸管理をしていくことが大切です。

LCマネジメントでは、外部システムの導入をすることで、お問い合わせ内容の一括管理を始め、社内での情報共有、対応強化に力を入れております。また、複数の工事業者様、内装業者様とお取引をしており、設備不良、定期点検、マンションの美化清掃等を行っております。

日常的に現地に行くことで、建物の不具合の早期発見をすることができ、入居者様に安心して住んでいただけるマンション管理に努めています。

株式会社LCマネジメント

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