COLUMN
アパート修繕費の積立計画と管理会社の役割について管理会社が徹底解説
アパート修繕費の積立計画と管理会社の役割について管理会社が徹底解説
はじめに
アパート経営を安定させるために必要なのは、家賃収入の確保や空室対策だけではありま
せん。建物は時間の経過とともに必ず劣化し、放置すれば入居者トラブルや資産価値の低
下につながります。そのため、定期的な点検と計画的な修繕が不可欠です。
特に大切なのが、法律で義務付けられている 法定点検の実施 と、将来的に必要となる
大規模修繕に備えた積立計画 です。これらを適切に行うことで、入居者の安全を守り、資
産価値を維持し、⾧期的な安定経営を実現できます。
本コラムでは、アパート経営に欠かせない法定点検の内容、修繕積立の考え方、そして管
理会社にBM(ビルマネジメント)とPM(プロパティマネジメント)をまとめて委託す
るメリットについて、わかりやすく解説していきます。

1.法定点検とは?アパートに必要な点検の具体例
アパートのオーナー様がまず押さえておくべきなのが 法定点検 です。これは建物の規模
や設備に応じて法律で義務付けられた点検で、怠ると行政処分や罰則を受ける可能性があ
ります。
・消防設備点検(年2 回)
火災時に命を守る消防設備は、半年ごとに専門業者による点検が必要です。対象となるの
は、消火器や火災報知器、誘導灯、非常ベル、避難はしごなど。正常に作動しなければ意
味がないため、作動試験や劣化確認を行います。点検結果は消防署へ報告する義務があ
り、未実施が発覚すると指導や改善命令を受ける場合もあります。
・貯水槽清掃・水質検査(年1 回)
受水槽や高架水槽を設置している建物では、年1 回の清掃と水質検査が必要です。内部に
汚れや錆がたまると水質が悪化し、入居者の健康被害につながりかねません。水道水の安
全を守るため、定期的なメンテナンスは不可欠です。
・建築設備定期検査(3 年に1 回など)
換気設備、排煙設備、非常用照明、避雷設備など、建築基準法に基づき建物の安全性を確
認する検査です。万一の災害時に避難経路や安全装置が正常に機能しなければ、大きな事
故につながる可能性があります。
・エレベーター定期検査(年1 回)
エレベーターを設置している場合、専門検査員による年1 回の法定検査が義務付けられて
います。制御装置やワイヤーなどをチェックし、行政への報告も必要です。特に高齢者や
子どもが利用することも多いため、安全性の確保は欠かせません。
これらの点検はすべて「必須」であり、怠れば法的責任や入居者トラブルを招きます。だ
からこそ、確実に実施できる体制づくりが大切なのです。
2.法定点検は管理会社に任せるのが安心
法定点検は定期的に必ず発生する業務です。オーナー様がご自身でスケジュールを管理
し、業者を手配し、報告書を作成・提出するのは非常に大きな負担になります。
そこでおすすめなのが、管理会社との 建物管理契約 に点検を組み込み、一括で委託する
方法です。
・管理会社に任せるメリットは以下のとおりです。
・点検スケジュールを管理し、実施漏れを防止
・専門知識を持つ業者を選定し、適正価格で手配点検後の報告書作成・行政提出を代行
・結果をわかりやすくオーナー様に報告
つまり、オーナー様が直接対応する手間を大幅に軽減できるだけでなく、点検忘れや不備
によるリスクも防げます。
3.大規模修繕と修繕積立の重要性

建物は年数の経過とともに必ず劣化します。外壁塗装や屋上防水、給排水管の更新などの
大規模修繕は、一般的に10~20 年単位で必要になります。これらの工事は一度に多額の
費用が発生するため、事前の積立が欠かせません。
もし積立が不十分であれば、突発的に大きな出費が必要となり、資金繰りを圧迫する恐れ
があります。また修繕を先延ばしにすれば、劣化が進み、結果的に修繕費がさらに膨らむ
ケースも少なくありません。
管理会社は、
・建物診断に基づく修繕時期の見極め
・工事項目ごとの費用感の提示
・無理のない積立方法のアドバイス
といった形で、オーナー様と相談しながら⾧期的な修繕計画を立てていきます。
大規模修繕は「将来必ず必要になるもの」であるため、早めに計画を立てて積立を始める
ことが成功のカギです。
4.PM(プロパティマネジメント)と一緒に管理委託するメリット
法定点検や修繕は「建物を守るためのBM(ビルマネジメント)」の領域ですが、これに
PM(プロパティマネジメント) を加えて委託すると、さらに経営の安定性が高まりま
す。
PM は、建物の運営・経営に直結する業務をサポートします。
・家賃設定の適正化
・入居率改善のための施策
・更新・解約管理、入居者対応
・ランニングコスト削減の提案
BM(建物の維持管理)とPM(経営管理)を一括で任せることで、オーナー様は「建物
の健康」と「経営の健全性」を同時に確保できます。ワンストップで任せられるため、手
間も減り、情報の一元化で意思決定もしやすくなります。
5.まとめ ~点検+修繕+PM で安心のアパート経営~
アパート経営に必要な積立は、
・法定点検費用(毎年必ず発生する義務的コスト)
・大規模修繕費用(将来的に必ず必要になる投資)
この二本柱です。
法定点検は建物管理契約の中で管理会社に任せ、大規模修繕はオーナー様と相談しながら
⾧期的な計画を立てて備えることが大切です。さらにPM を含めて管理委託すれば、建物
の維持と収益改善を同時に実現し、⾧期的に安定したアパート経営を続けることができま
す。
「自分の物件に必要な点検は何か知りたい」
「将来の修繕計画を立てたい」
「建物管理と経営改善をまとめて任せたい」。
私どもLCマネジメントでは、不動産の専門家として管理委託から売却までオーナー様の大切な資産を有効に活用するための提案を行っております。
その他、事業内容・対応等のご相談、マンション管理業務に関するご相談もお気軽にお問い合わせください。
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